抜歯即時インプラントの症例|目黒まついデンタルクリニック|目黒の歯医者|矯正歯科、審美歯科

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医療コラム

抜歯即時インプラントの症例|目黒まついデンタルクリニック|目黒の歯医者|矯正歯科、審美歯科

抜歯即時インプラントの症例

こんにちは。目黒まついデンタルクリニックです。暑い日が続きますがみなさま体調はいかがでしょうか。目黒まついデンタルクリニックではガラス面から暑さを感じるために新しくクーラーを導入致しました。みなさま熱中症には十分お気を付けくださいませ。

今回は抜歯即時インプラントの症例をご説明します。

抜歯即時インプラントとは

通常インプラントは抜歯したあと、治癒を待ったうえでインプラントを埋入します。抜歯したところの骨が回復するまでは待つ必要性があります。そのため治療期間のながさや歯茎が下がってしまうことなどでインプラントに対して億劫になってしまう患者様もいるかと思います。

そこで抜歯即時インプラントとは、抜歯すると同時にインプラントを埋入する画期的な治療方法です。近年前歯の歯茎を下げないようにや治療回数を減らすことができるというメリットはある反面、骨の量によってはうまく定着しないなどというデメリットもある治療方法なのでそれについて説明できればと思います。

抜歯即時インプラントの基本的な考え方

歯が虫歯でボロボロであったり、歯根が折れている、歯がグラグラなど残念ながらほかの歯にも影響を及ぼす場合など抜歯をしないといけない状態になってしまうこともあります。

その場合抜歯してからインプラントを入れます。もちろんブリッジや入れ歯などの選択肢もありますが今回はインプラントの話をします。抜歯即時インプラントとは、歯を抜いた直後にインプラント本体埋入する方法で、上顎の前歯で行われることが多いですがほかの場所でももちろん適用になります。

通常、抜歯後にインプラントを入れる場合は、3ヶ月ほど待つこととなり、骨が十分量できるまで回復してからインプラント手術を行います。あるいは抜歯時に骨の足りないところに骨の代わりとなる材料を足すことで骨を新しく作る骨造成ということが必要になる場合もあります。あるいは上顎洞といって鼻の横の空洞が下がってきてしまうケースもあるのでその場合は押して広げるソケットリフトやサイナスリフトという方法が必要になるケースもあります。

ただ抜歯と同時にインプラントを入れても適切に治療すれば、その後の経過に差がないことがわかりました。手術回数が少なく済み、治療期間も短縮できるといった理由から抜歯即時インプラントが優位になるケースも出てきました。

抜歯即時インプラントのメリット

⊡治療期間が短くできる

抜歯して待つ必要がないので、トータルの期間は短くなります。もちろん億劫になる外科手術の回数が減らせるということもメリットではないでしょうか。

また目黒まついデンタルクリニックでは静脈鎮静法も併用していますので、治療の怖さや寝ているような感覚で早く治療を終わらせたい方にはうってつけの方法もご用意しております。

⊡骨や歯茎が下がることを妨げられる

歯ぐきを切ったりという処置を何回もする、あるいは抜歯後待つと骨に対する刺激がなくなるので骨は下がってきます、そこに付随し骨と歯茎は一体で動くので、歯茎も下がってしまいます。そのため完成したインプラントが長い歯に見えてしまいます。あるいは清掃性が悪く、インプラント周囲炎の可能性が出てしまいます。

⊡手術回数が減らせる分、体にやさしい

歯ぐきを切開するなどの外科処置をすると、どうしても身体の負担が大きくなり、腫れや痛みといったリスクが生じます。抜歯即時埋入であれば、外科手術の回数が少ない分、患者の身体の負担を軽減できます。もちろん嫌なことを1回にまとめられるというものもメリットと言えます。

抜歯即時インプラントのデメリット

ここまでメリットや特徴を挙げてきましたがもちろんデメリットもあります。

⊡細菌感染のリスクがある

抜歯後の穴に直接インプラントを埋入するので、細菌感染のリスクはおのずと高くなります。もちろん緊密な創部閉鎖や滅菌体制、抜歯したところをきれいにすることでリスクは抑えられます。

ここで細菌感染がおこってしまうとどうなるのでしょうか。結論から申し上げますと、インプラントと顎の骨で起こるはずの結合が剥がれ、うまく定着しない(ロスト)という状態になってしまいます。

もちろん定着しないからといって一生インプラントができなくなるわけではなく、もう一度再手術で対応していきます。

⊡抜歯即時インプラントはすべてに適用されるわけではない

すべての症例で行うことはできないので、術前に歯科用3次元CTなどを用い、現在の骨の状態、抜歯した後に残る骨の状態、埋入する場所、方法などしっかりと診断を行なったのちに適正な部位に埋入することが大切です。術者の診断に寄ってしまうかもしれませんが、適切な顎の骨の厚みや長さ、全身状態のチェックなど何よりも最初の「診断」が大切です。

以下に抜歯即時インプラントの条件をまとめてみました。

抜歯即時インプラントの条件

抜歯即時インプラントの成功のためにはいくつかの条件もあります。どの症例もできるわけではなく、残っている骨、歯茎の状態などが良好でないとインプラントがうまく定着しないことがあり、再オペになってしまうケースもあり得ます。

・重度歯周病の状態ではない

・抜歯した後に残る骨の厚み・量・高さが充分にある。適切な骨梁である。

・顎の骨に大きな病変をかかえていない

・インプラントを埋め込んだ直後に、骨とインプラントが結合する可能性が高い感染リスクが少ない、骨の量があること

・極端な噛み合わせの不備がない(例えばその歯しか当たらないなど)

・糖尿病など傷の治りに影響を及ぼす全身疾患にかかっていない、あるいはコントロールがしっかりなされている

・術後の創閉鎖が期待される、また感染リスクが少ない

このようにただ抜いたところに入れるではなく、現状のお体の状態と骨の状態、歯茎の状態を総合的に判断していくうえで進めていくのがとても大切なのがわかるかと思います。

実際の抜歯即時インプラントの症例

患者様は40代男性のかたで、「右上の6番の歯が痛い」という主訴でいらっしゃいました。診断してみると、歯がまっぷたつにわれており、そのことによる痛みが出てしまっていました。残念ながら今回は抜歯の方針となり、欠損の説明をしたのち、インプラントの方針となりました。CTで現状を確認のち、中隔部に骨がしっかり残っていたため、抜歯即時インプラントの方針となりました。患者様本人も時間短くできたら、また外科手術が少ないほうがいいとのことでしたので静脈鎮静法を併用した抜歯即時インプラントになりました。

術前のレントゲンです。

こちらが術後のレントゲンです。

正しい位置に入っていることが確認できます

手術時間は30分ほどでおわりました。患者様も静脈鎮静法下なのでいつの間にか終わったと言っていただきました。欠損部には骨補填を行ない、その後メンブレンという歯ぐきの再生を助ける材料を入れ、縫合をして終わりです。1週間後に抜糸を行ない、あとは3か月ほど骨としっかり定着するように待っていきます。2次オペ時でも固定は問題なかったのでこのまま、型どりまでいきしっかり噛めるようにインプラントの被せものを入れていきたいと思います。

最後に

抜歯即時インプラントは利点が大きいですが、正しい診断が大切ですし、必然です。目黒まついデンタルクリニックでは、抜歯即時インプラントに対応できる診断ツールをそろえ、万全の体制でお困りの患者様のお手伝いができればと考えております。

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