こんにちは。目黒まついデンタルクリニックです。

今回は「咬翼法」という特別なレントゲン撮影方法についてお話します。

検診について

以前の検診や学校検診・企業検診などでは虫歯と言われなかったのに、歯科医院で虫歯と言われたご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際治療してみるとつめもののなかが大きく虫歯になっていたり、被せもの・つめものがとれてしまったご経験ある方もいらっしゃるかもしれません。

学校検診などの検診と歯科医院での検診の違いの１つにレントゲン撮影があります。学校検診などではレントゲン撮影はしないので、視覚的な判断しかできず、虫歯や膿などは100％網羅できているかと言われると厳しいです。そこでレントゲン撮影で歯の内部を確認することが大切です。

集団検診が悪いと言っているわけではなく、集団検診のメリットは明らかに問題あるところのスクリーニングであると考えています。そのうえで歯科医院での検診を受けていただき、よりお口の中の状態を確認することでより確実に現状把握ができると考えております。

レントゲン撮影の種類

ひとえにレントゲンといっても、取り方や目的によって撮影方法が変わってきます。

パントモ撮影

こちらはよく見たことあるのではないでしょうか。レントゲン装置がお顔の周りを１周し、１枚のレントゲン画像でお口の状態を把握できるというものです。

このように大きく診断できるのがパントモ撮影です。各々の歯に加え、上下顎骨の状態、顎関節、上顎洞などお口の周りの組織の異常も診断できます。

虫歯に加え、歯周病、膿の診断・炎症、骨折、上顎洞炎、顎関節症などお口全体の診断にまず用いられるメジャーなレントゲン撮影方法になります。目で見るだけの診断では追いきれない歯の内部にアプローチすることができます。目黒まついデンタルクリニックでは、最新のデジタルレントゲンを導入してますので少ない被爆でレントゲン撮影をおこなうことができます。

ただデメリットもあります。

パントモ撮影は大きい診断が得意な反面、歯と歯の間がかぶって写ることが多いので、正確に歯と歯の間まで見ることができるかと言われる上のレントゲン撮影のように、白くかぶってしまうことがあります。この状態ですと、歯と歯の間の虫歯を見落としてしまうことも…。

パントモ撮影で大きいスクリーニングを行ない、そのうえで怪しいところに詳しくアプローチする意味でもより小さいレントゲンで確認する必要性があります。

レントゲン撮影（平行法）

先ほどお話したパントモに加え、一般的に撮影するレントゲンが平行法と呼ばれる方法です。

インジケーターと呼ばれる器具にレントゲン撮影用のフィルムを入れて噛んでいただいたうえで撮影を行うことでしっかりとした像が出すことができます。

フィルム自体は小さいのでお子様から大人まで皆様使うことができ、パントモ撮影よりも拡大された像により、虫歯・歯周病・歯根状態・歯周組織の診断を行うことができます。

咬翼法

今回特に取り上げたいのがこの咬翼法というレントゲン撮影方法です。

前述した平行法とは違うインジケーターを使います。また平行法は片側の歯しか写りませんが、咬翼法では上下の奥歯がいっぺんに写ることで診断が可能になります。

咬翼法の特徴としては平行法やパントモ撮影で隣同士の歯がかぶって見えない場合が多いのに比べ、奥歯だけですがしっかりと別々に写すことができるので以下の利点があります

①歯と歯の間についている歯石が分かりやすい。

ここから実際当院で撮影した咬翼法のレントゲン写真をもとにご説明させていただきます。まず第一に歯と歯の間の歯石がわかるというところが利点です。歯石は汚れとお口の中の歯周病の菌がくっつき、歯にこべりついてしまったもので、そのことによって歯肉の腫れや歯を支える組織を溶かしてしまいます。いわゆる歯周病の原因の１つです。

赤〇で示しているのが歯石です。歯の表面から突起物のような白い像（不透過像）が認められると思います。歯茎の中に隠れているので、自分ではきれいに見えていたとしても、視覚的に判断できない場所にある歯石のことを縁下歯石と言います。

このように歯石のある場所を確かめたうえでしっかりと歯石を除去していきます。

②今現在入っている詰め物、かぶせ物の適合状態を詳しく観察出来る。

③歯と歯の間の虫歯の大きさを厳しくチェック出来る。

特徴２つ目、３つ目を具体的に示すのがこのレントゲンです。

赤●のところが黒くなっているのがわかると思います。銀歯が入っているのですが、そこの部分は時間経過とともにたわみ隙間ができてしまいました。自覚症状は全くなく、ただこの虫歯の怖さは痛みが出たときに気が付くものになります。自覚症状と実際の病態が一致しないことが多いのが歯科というものですので、早期発見が大切になります。

最後に

今回ご説明した咬翼法は現在のお口の状態の確認にはとても有用な１つのツールです。先ほども述べたように早期の検診で大きな被害が避けることもできます。

目黒まついデンタルクリニックでは、咬翼法も初診時の検診時に導入することで今のお口の中の状態を視覚的に捉えていただくお手伝いをさせていただければと思っております！