親知らずの抜歯の後気を付けたいこと
- 2023年9月13日
- 治療
こんにちは目黒まついデンタルクリニックです。
今回は親知らずの抜歯の後気を付けたいポイントに関してご説明したいと思います。
歯医者で抜歯をしないといけないケースは多々あります。もちろんおっくうでやりたく無い処置だとは思いますが残しておくことで様々なリスクと隣り合わせになってしまうケースもあります。
よく親知らずの抜歯のあとは腫れる・痛むことは聞くと思います。もともと炎症が強かった場合はなおさら、おおきい親知らずを抜いた後は少なからず腫れ・痛みは起こるものです。ただポイントを押さえるだけで、そのリスクを下げることはできます。もちろん生体反応なのでかならずというものはないのですが、もしかしたら痛むようなことを意図せずしてしまっていることもあり得ますので、今回ポイントを何点がご説明したいと思います。
抜歯は外科手術のため、抜歯後どう過ごすかということもとても大切になってきます。抜歯後のトラブル・合併症に気を付けながら以下のポイントを気にしていきましょう!
抜歯後のトラブルを防ぐためのポイント
①ガーゼで圧迫止血をしておく
抜歯後はガーゼを噛んでもらい圧迫止血を行ないます。抜歯した穴の部分にしっかりはまるようなおおきさで準備してますので30分はしっかり噛んでおきましょう。血が少しにじむことはその日中起こりうる可能性がありますが、もし30分噛んでいても出血がドバドバ出てくるようであれば、ティッシュでもいいのでもう30分噛むことで圧迫止血をしてください。
血液をサラサラにするお薬をのんでいたり、血圧が高めのかたは出血が止まりにくい可能性があります。
②当日の運動・飲酒・長時間の入浴は避ける
抜歯後の運動・飲酒。入浴は血行をよくしてしまい、より出血する原因、内出血により皮膚が青紫色になってしまう原因、あるいは腫れる原因になってしまいます。汗をかくような運動やサウナ・岩盤浴などは控えていただき安静に過ごすことを意識するようにしましょう。
③麻酔が切れるまでは食事は控える
抜歯中は浸潤麻酔をおこないます。このことで痛みがなく抜歯等の外科手術がおこなうことができます。この麻酔は術後1時間~2時間ほど個人差がありますが効いています。麻酔で感覚が鈍くなっているため、あやまって頬や舌を噛んでしまうことで傷ができたり、温度感覚も鈍くなるので火傷してしまったりということがあり得ます。麻酔が切れるまでは食事は控えるないしは、抜歯した反対側の歯を使うようにしましょう。食事に関してはあまり香辛料が強いのは控えるようにしましょう。傷口にダメージになる可能性があります。
④抜歯後の服薬された薬をしっかり飲む
抜歯後基本的には抗生物質と痛み止めをお出しします。抗生物質は用法を守り、決められた日数飲むようにしましょう。痛み止めは基本的には痛いときに飲むものですが、抜歯直後麻酔が切れる前に飲むことも有用です。もしお薬でアレルギーがある場合はお知らせください。また痛み止めがすぐなくなる場合は追加しますのでお伝えください。
⑤抜歯で腫れたときに冷やしすぎないこと
親知らずの抜歯の時腫れる理由としては、歯肉の切開と骨の削除が主な理由として挙げられます。横向きの親知らずや埋まっている親知らず、骨と癒着している親知らずは、歯茎を切開して剥離し、視野を確保しないと抜けない、または予測できないトラブルになるのでしっかりと抜くべき歯を明示することがとても大切です。切開や骨の削除量に比例し、腫れる可能性があがると言っても過言ではありません。正常な生体反応としての炎症、腫れるということは起こりうることではありますが、そのうえで腫れているから冷やすということは必ずしもいいわけではありません。
抜歯後の炎症に対して氷などの急冷するのがいいのかというとそうではなく、抜歯後の顎などを冷やすことが刺激となり、痛みが増す場合があります。長時間抜歯部位を冷やしてしまうと、傷口や奥に溜まっている血液が固まってしまい逆に腫れが引かなくなってしまいます。また、冷やすことで血行が悪くなり内出血の原因になってしまいます。急冷しすぎないこと、濡れタオルくらいの温度にして冷やすようにしましょう!
腫れのピークは24ー72時間ほどと言われています。
⑥口の中を清潔に保つ
お口の中は雑菌が多いですが、汚れをしっかり取ることは大切です。清潔に保つことで傷の治りもよくなってきます。逆に汚れが多いと、なおりが悪くなる、また炎症が喚起される場合もあり得ます。
ただ後述しますが、傷口をゴシゴシしたり、清潔に保つようにマウスウォッシュなどでおおくうがいするのはやめましょう。傷口のかさぶたがとれて「ドライソケット」の可能性が上がってしまいます。傷口でなくまわりの歯をしっかり清潔に保つことが大切です。
⑦傷口は触らないようにする
抜歯後の治癒の流れとしては、血が固まりかさぶたとなり歯茎を覆います。これを「血餅」といいます。抜歯後は骨が露出していますが、この血餅というかさぶたがあるので骨を保護してくれる作用があります。逆に言うとこの血餅がなくなってしまうと骨が露出してしまい、少ない刺激で強い痛みが出てしまいます。これを「ドライソケット」といいます。特に下顎は上顎と比べ、出血が少ないケースも多く、この血餅ができづらいことが多いです。よく聞く抜歯後の痛みがずっと続くということはこのドライソケットが原因です。
ではなぜ血餅がなくなってしまうのでしょうか。もちろん口の中には食べ物が入ったり飲み物が入ったり、あるいは会話などで唇がうごいたり、舌が動いたりということから外れてしまうこともあります。
患者様が気を付けることができることとしては、傷口を触らないこと・うがいしすぎないことが挙げられます。
傷口を歯ブラシでゴシゴシしたり、気になるから舌で触ったりしてしまうと、この血餅がなくなる原因になりえます。
また出血が気になる、さっぱりするからといって、マウスウォッシュ等を用いたりするうがいを多くしてしまうと血餅が剥がれる可能性があります。含みうがい程度にしましょう。
気を付けていてもドライソケットになる可能性は全然ありますので、その場合は歯科医院で投薬の追加や傷口の消毒をおすすめします。
⑧喫煙を控える
喫煙は血行が悪くなってしまうのでなるべく控えるようにしましょう。傷口の治りが悪くなります。
最後に
親知らずの抜歯で大変な思いをされて、反対側も抜かないといけないのに気が進まない方も多いのではないでしょうか。抜歯は口腔外科に分類される外科手術なので少なからず炎症所見というものは出てしまうことがあります。ただそれは生体反応としては正常ですが気を付けることで抑えることができるともいえます。今抜くことと抜かないでおいておくことのメリット・デメリットを考えたうえで進めていくことが大切ではないかと考えています、
もちろん目黒まついデンタルクリニックではこのような炎症が起こりにくい処置を心掛けています。ただ100%予防するというのは難しいので先ほど述べたポイントをうまくおさえていくことで最小被害で抜歯を終えることができればと考えております。もちろん抜歯すべき歯を置いておくこともリスクになってしまうケースもあるので、ぜひ一度親知らずのことを目黒まついデンタルクリニックでご相談してみてください!